あなたは海…私は空…
は「本日をもって機動六課は解散します」
はやてちゃんの部隊長最後の言葉でこの部隊は幕を閉じた。
荷物の整理も終わりそれぞれ元の部隊に戻る人もいれば新しい部隊に旅立つ者もいる…。
な「長いようで…短かったな…」
私は隊舎の自室で最後の点検をしていた。
ガランとした部屋はまるで世界に私だけしか居ないようで…
な「少し…寂しいかな…」
寂しさを消し去るようにぼすんとベットに倒れこんだ…。
な「この部屋ともお別れか〜…」
ぐるりと辺りを見回す。
な「また離れ離れか…」
そう思うと何だか泣けてきた。
ーシュン…
フェ「あれ?なのは?」
声のする方に視線を向けると黒い執務官の制服を着たフェイトちゃんの姿…。
な「もう着替えたの?」
フェ「うん…何だか着てたら名残惜しくなっちゃうから」
な「そっか…」
その黒の制服は私が着ることが出来なくて…
あぁ…もうフェイトちゃんとは別の道なんだという現実が重くのしかかった。
フェ「なのはは忘れ物?」
な「ううん…何だか寂しくなって…」
フェ「そっか…」
な「フェイトちゃんは?」
フェ「実は私もなのはと同じ理由」
クスッと笑うフェイトちゃんは何だか可愛かった。
な「ねぇ…フェイトちゃん」
フェ「なぁに?」
な「なのはのお願い聞いてくれるかな?」
フェ「お願い?」
フェイトちゃんは不思議そうに首を傾げた。
な「私と…今から海を見に行って欲しいんだ」
フェイトちゃんは驚いた表情を見せたが、すぐに微笑んで
フェ「いいよ」
と言ってくれた。
は「そういうことならお安い御用や」
な「ゴメンね…」
は「気にせんでえぇよ」
な「ありがとう、ヴィヴィオいい子でお留守番しててね?」
ヴィ「うん、いってらっしゃい」
私はヴィヴィオをはやてちゃんにあずけて駐車場に急いだ。
な「ゴメンね遅くなって」
フェ「じゃあ、出掛けようか」
フェイトちゃんの車に乗り込んで海へと向かった。
車の中では二人とも無言で、エンジンの音だけが響いていた。
しばらくして海に着いた私たちは、海辺をゆっくりと歩いていた。
な「もう、機動六課も終わりなんだね〜」
フェ「なのはは…寂しい?」
な「うん…寂しいよ…」
フェ「どうして?」
な「仕方が無いことだとは思うんだけど…みんなが離れ離れになるのは寂しいよ」
私は拳をぎゅっと握った。
フェ「うん…」
な「けど…一番寂しいのは…」
フェ「ん?」
な「フェイトちゃんとまた離れ離れになることかな…」
フェ「え?」
な「教導官と執務官…ずっと一緒にはいられないって頭の中では分かってたつもりだったのに…!!いざ別れとなるとやっぱり辛くて…!!」
ボロボロと涙が溢れて止まらなかった。
フェ「なの…」
な「私…おかしいよね…?もう会えないわけじゃないのに…!電話でだって話せるのに…!」
フェ「ッ…」
な「けど、明日から私の隣にフェイトちゃんがいないんだって考えたら…!!」
フェ「うん…うん…」
フェイトちゃんは私をぎゅっと抱きしめてくれた。
な「辛くて…涙が…」
フェ「もういいよ…大丈夫…私はここに居るから…」
な「うん…」
フェ「なのはの側にいるから…」
そうだ…この安心感…
な「フェイトちゃんまるでこの海みたい…」
フェ「海?」
な「私を優しく包んでくれるところとか」
フェ「じゃあ、なのははこの青い空だよ!!」
な「空?」
上を見上げると眩しいくらいの青空が広がっていた。
フェ「なのは…見てごらん」
私はフェイトちゃんが指す方向へと目を向けた。
な「空と海が…」
フェ「ね?繋がってるでしょ?」
海の青と空の青が混ざり合って1つになっていた。
な「ホントだ…」
フェ「寂しくなったら…名前を呼んで?」
な「え?」
フェ「あの時の約束覚えてる?」
それは10年前に交わした約束。
な「当たり前だよ」
フェ「名前を呼んでくれたらすぐに駆けつけるから…」
な「調査中でも?」
フェ「う…」
な「次元航海中でも?」
フェ「うぅ…」
ふぇいとちゃんがどんどん小さくなる…。
な「にゃはは!!冗談だよ!!」
フェ「あはは!!なのはの意地悪〜」
私たちは二人で笑いあった。
フェ「そろそろ戻ろうか?」
そう言ってフェイトちゃんは私に手を差し伸べた。
な「うん!!」
私はそれに答えながらその手をぎゅっと握り返す。
会いたくなったら名前を呼ぶよ…。
この空と海はずっと繋がってるから…。
また一緒に来てくれるかな?
この海と…
あなたに会いたいから…。
FIN
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